「コンメンタールNTT法」


 慶應義塾大学産業研究所の石岡克俊先生の編著になる「コンメンタールNTT法」(三省堂、8月20日発行)を、先生より御恵贈頂きました。
 当独占禁止法のホームページにおいても「NTT法の概要」として極く簡単に記載していますが、NTT法は、その条文を読んだだけではその条文のもつ意義や実務上の問題点等がなかなか分かりにくく、NTT法のそもそもの成り立ちや、10数度に及ぶ改正の経緯やそのもつ意味等を理解しないと、条分のもつ実務上の真の意味を把握しにくいのではないか、と考えていました。
 今般、石岡先生より御著を頂戴し、その逐条解説の丁寧さ、分かりやすさとともに、NTTの設立から今日までの経緯、NTT法改正の経緯やその意義等も万遍なく記載されており、その調査の周到さとともに、NTT法の解釈にはなくてはならない珠玉の一冊と感服いたしました。
 さらに、この本が経済法学者である石岡先生によって著わされたことは、業法の解釈を超えた競争法からのアプローチに、現在と将来に及ぶ情報通信業界における公正・有効な競争のありようを見据えておられるものと思われました。