不況下での企業法務‐その1


私達弁護士が執筆する企業法務の具体的内容は、景気の良し悪しによって大きく左右される面があります。
現在の不況下で企業からの相談が多いものに、債権回収の相談があります。売掛先が倒産しそうなので、至急に対処したいとの依頼。待ったなしで、即時の対応が求められます。
先ず契約書の確認、連絡保証人の署名捺印はあるか、債権残高の確認、売掛先と連帯保証人の所有不動産の登記簿謄本をweb上で入手します。その上で、債権回収の戦略を立て、速やかに実行に移します。
商品の引き揚げが可能なら、承諾書をとって即引き揚げをします。
相手方の所有不動産の担保余力を確認して、可能ならば不動産仮差押の申立をします。売掛金の回収が可能なら、債権仮差押の申立をします。また、動産売買の先取特権の行使が可能なら、即申立をします。さらに、債権譲渡や相殺をする場合には、内容証明郵便を発送します。
債権回収は、他の債権者と競合しますので、スピードが勝負です。そのためには、知力と体力の勝負となります。深夜まで起案をし、翌朝、朝一番での申立ということもあります。