ライブドア事件−2つの判決


ライブドア粉飾決算により株価が下落したとして株主約3,300人がライブドアや堀江元社長に対して損害賠償請求していた判決が、本年5月21日に東京地方裁判所で言い渡されました。
有価証券報告書への虚偽記載が地検から報道機関に公表された日の前後1ヶ月間の株価の平均の差額、1株あたり585円を基準として、ライブドアへの強制捜査や堀江元社長の逮捕や上場廃止のおそれ等の要因により約34%である1株あたり200円を損害と認定しました。
しかし、本件については、生保や信託銀行等がライブドアを訴えた同種損害賠償請求訴訟で、すでに平成20年6月13日の判決により、公表前後の差額を同じく1株あたり585円と認定したうえで、虚偽記載以外の要因による株価下落を3割として、結局損害は585円の7割≒410円と認定しているものと思われます。
同種事件での2つの異なる判断で、損害に2倍の違いが出たことになります。いわゆる7掛けと、その半分、そのいずれが正しいのか、その結論は東京高裁に持ち込まれることとなりそうですが、今後も注目していきたいと思います。