同族会社の経営権争い


東北地方の中堅企業を巡る経営権の争い。
発端は、オーナー経営者で創業者の社長が亡くなり、子の兄弟が跡を継ぎました。社長には遺言書がなく、その同族会社の株式をどう分けるかで兄弟間で相続紛争となりました。
未分割の株式についてその議決権をどう取り扱うか、長男の取締役としての業務執行をどう考えるか、株主総会の開催をどうするか、その間の会社の営業をどう継続するか、非上場の株式の評価をどうするか、株式の購入代金をどう捻出するか、等々様々な問題に直面しました。
そして、その間、遺産分割調停は延々と続き、取締役職務執行停止の仮処分申立、会社帳簿の閲覧謄写申請、株主総会における委任状の争奪戦、会社分割の動き、事業譲渡の試み、株主権確認の訴え、譲渡制限株式の譲渡承認の問題等、会社法株主権の行使や会社訴訟等の提起もありました。
没後数年が経ち、根本の問題である株式の帰属をめぐる紛争を解決し、株式を譲渡しその代金を支払うことでようやく、長い紛争に終止符が打たれることとなりました。
同族会社はもめると赤の他人よりもずっとその紛争の解決には長い時間と費用そして精神的消耗をともなうことを、あらためて痛感しています。そして、最終的解決のために新幹線で家裁へと向かいます。最後まで油断は禁物。親族間の争いは、感情的な面があり、ゲタをはくまで分かりません。気を引き締めて調停に臨みたいと思います。
(弁護士の守秘義務よりすべて設定は変えています)