キリンとサントリー −統合不成立へ

キリンホールディングスサントリーホールディングスは、かねて進めていた経営統合の話しを破談にしたと発表しました。
この統合不成立の要因としては、両社が設立する持ち株会社における統合比率で合意に達しなかったとされています。
M&Aにおいては、双方の会社の企業風土が大きな要素となり、いわゆる下駄をはくまで分からないという交渉が少なからずあります。
今回の経営統合の話しも、両社の社長は大学の同窓であり、意気投合していた面があったようですが、両社のステークホルダーに大きな違いがあったようです。
キリンは、上場企業であり、株主への説明責任があり、透明性ある統合と経営が強く求められます。
これに対して、サントリーは、いわば同族企業の色を濃くもつ上場会社であり、創業家の意向を無視する訳にはいかず、両社の企業風土は大きく相違しており、サントリーにおける人的要素は上場企業における“Your Company”の理念とは隔絶するものがあったのではないでしょうか。
いずれにしても、M&Aは下駄をはくまで分からないとの感をあらためて強く感じました。