日立、三菱重工の統合と独禁法


 総合電機メーカーの日立製作所三菱グループ中核企業の一つ三菱重工が2013年の経営統合に向けて協議に入ることで基本合意に達した旨が報道されました。
 原発事故や新興グローバル市場の開拓等が背景にあるようですが、いくつかの問題点を感じます。
 先ず、独占禁止法における企業結合規制との関係が気になります。市場のとらえ方、事業や事業所毎の譲渡等の従前の問題解決措置等の問題があるのか。公正取引委員会の対応を注目したいところです。
 同業他社の動き、例えば東芝等は新たな再編に向けての動きを加速するのか、グローバル市場も見据えて業界の姿が大きく変わることも予想されます。
 また、この経営統合が特に新興国のインフラ事業等のグローバル市場の競争に及ぼす影響も懸念されます。そうすると、欧米や中国の独占禁止当局がどのような動きをとってくるかも問題となってきます。独占禁止法のいわゆる域外適用の問題も生じてくる可能性があります。
 企業結合と独禁法の現代的意義が新たに問われることになります。