東電原発事故−株主代表訴訟へか

 東電原発事故をめぐり、東京電力の株主30人位が歴代の取締役60人位を相手方として、約1兆1,000億円の賠償を請求する株主代表訴訟を提起する準備に入った、との報道に接しました。
 1兆円を超える請求額は、日本の株主代表訴訟では最高額となると思われます。
 原子力損害賠償法は、たしかに原則として原子力事業者(東電)に対して企業としての無過失、無制限の賠償責任を課しています。
 しかし、株主代表訴訟では、取締役への責任追及の要件として、取締役の任務懈怠が会社法上に明記されています。
 弁護士的に見ると、本件のような巨大な地震津波の場合において、取締役の任務懈怠が裁判所において認めうるか、否か、相当に難しい判断が求められる事案かとも考えられます。