全農への独禁法の適用

 独占禁止法は、その第22条で、一定の要件を備えた生協、農協、中小企業共同組合には独禁法を適用しない、と規定しています。
 但し、同条文の但書では、不公正な取引方法や不当に評価を引き上げるときは、この限りではない、と規定しています。
 そして、今迄も農協等が不公正な取引方法を用いたために公正取引委員会から行政処分を受けた事例がありました。
 今般、報道によれば、行政刷新会議の規制、制度改革に関する分科会において、全農に対して独禁法を原則適用することが検討されているようです。
 協同組合は、本来は小規模な組合員が共同購買等により大企業に対抗していくものとして独禁法の適用除外とされたものです。
 ところが全農は、肥料や農業の分野で高いシェアを有し強大化し、民間の参入を阻止している面も指摘され、公正な価格競争の促進の見地から、今回の動きが出てきたようです。
 巨大化した全農と、個々の農家の意向、そして、民間企業の参入による競争の促進等の見地から、今後の動きに注目したいものです。